名前はよく聞くけど、いったい何者なんだ・・・。
「エスプレッソって何?」
お店で働いてるバリスタにとって、最も答えにくい質問のひとつだと思います。
感覚ではどんなものか分かる。でもそれを上手く伝えられるかどうかは話は別。
また働いてる店員の中にも「実はよく分からない!」なんて人も結構いたりします。
「カフェラテ」や「カプチーノ」もエスプレッソのアレンジドリンクです。
しかし「エスプレッソ」そのものはそれらに比べ、よく知らないという人が多いこと多いこと・・・。
では結局エスプレッソとは何なのか?
短く言ってしまえば・・・
「高い圧力で抽出」した、
「少量」の
「超濃厚なコーヒー」
・・・です。
「そんなこと言われても、いまいち分かんねーよ!」って人もいるかと思うので、エスプレッソがどのようにして抽出されるか説明するね。
エスプレッソが出来るまで。
エスプレッソとは何なのか。
感覚的に掴むために、ここでは一般的なエスプレッソマシンを使った抽出の流れを紹介します。
我が家のマシン「DOMOBAR Jr.HX 」
周りはちょっと人様に見せられる状態じゃないのでモザイクかけました。すまんな。
まず、この「ポルタフィルター」と呼ばれるものを外します。
中には金属製のフィルターが入ってます。
フィルターにコーヒー粉を入れ、きれいに押し固めます。
そしてマシンにセット。
ちなみにエスプレッソ用のコーヒー粉は、あらゆる抽出方法の中で一番細挽きだったりします。
スイッチON。
9気圧もの圧力をかけて一気に抽出します。わくわく。
だいたい20~30秒かけて出来上がります。抽出量は20~30ccくらいのが2つ。
普通のコーヒーと比べると抽出の時間が短く、量はかなり少ないです。
写真を見ると色が2層に分かれています。
上部分は「クレマ」と呼ばれる細かい泡の層で、高圧で抽出することによって出来上がります。
細かい泡によって、飲むときの口当たりを良くする役目があります。
以上、こんな感じの流れでエスプレッソは抽出されます。
それで、使用されるコーヒー豆と抽出される液体の重さの比率はだいたい1:2もしくは1:3くらいになります。
そう考えると、エスプレッソは「かなり濃いコーヒー」であることが想像できるかと思います。
エスプレッソの楽しみ方
スタバやタリーズといったカフェチェーンの台頭でエスプレッソというものは広く日本にも浸透しました。
・・・が、エスプレッソ単体を飲む人はそんなにいません。
「エスプレッソの注文キター」と思ったら、たいてい外国人だったり。
というか、そもそも飲み方を知らないという人も多いのではないでしょうか。
エスプレッソは前述の通り「かなり濃い」コーヒーです。
もしそのまま飲もうものなら、強烈な苦みを舌で味わうことになります。
罰ゲームとしてなら最高ですが、さすがにそれだとカフェのメニューには載せられません。
そのため、エスプレッソは普通「砂糖」を入れて飲みます。
甘味を加えることで苦味を抑え、濃厚なコーヒーシロップともいえる上質なドリンクに変化します。
例えるなら「カラメルソースやビターチョコレートのような、苦味と甘みの共存した味わい」といった感じでしょうか。
それを2,3口で飲み干して、エスプレッソならではの「香り高い余韻」を楽しむのがイタリア流。
飲み物ではありますが、喉を潤すというよりも、「深い味わいと香りを楽しむ嗜好品」です。
たまーにエスプレッソをちびちび飲む人もいますが、それはあまりスマートじゃないです。
すぐ冷めますし。
本格的なエスプレッソを楽しむために
もしこの記事を読んで「エスプレッソを飲んでみたい!」と思う人がいれば、嬉しい限りです。
しかし、そのためにいくつかお伝えしたいことがございます。
エスプレッソはとても繊細な飲み物です。
ドリップと違って、ある程度の技術や知識がなければ、本当に美味しいものは抽出出来ません。
・・・というか全抽出方法のうちで一番安定しないし、メンテナンスもめんどいのよね。エスプレッソって。
なので、最初から自分で抽出しようとするのはあまりオススメできません。
マシンの値段も高いし、スキルが必要なので、家で飲むのはハードルが超高い。
そうなると、カフェとかでエスプレッソを注文するのが現実的だと思う。
ただね・・・その抽出の難しさゆえ、美味しくできてない飲食店も結構多かったりするんですよ。
「エスプレッソ=マズイ」という印象を持つ人って結構見かけるのですが・・・話を聞く限りだとそういう地雷な店のエスプレッソを飲んで、そう思っちゃうことが多いみたい。
そういうわけで、初めてエスプレッソを飲むような人は、まず最初はちゃんとしたコーヒー専門店で飲んでみることがオススメ。
できたら全国チェーンの店より、そのワンランク以上の店が良きかと。
最後に
ここまで色々ざっくり説明しました。
エスプレッソについてどんなものか、だいたいのことを理解していただけたかと思います。
この知識があれば、今後はエスプレッソを注文すれば周りから羨望の眼差しを受けますし、カフェデートでは相手のハートを簡単に射抜くことができることになります。(大嘘)
今回は端的に書きましたが、エスプレッソというのは奥が深いもので、ここで書いたことは「ほんの一部」のことにしか過ぎません。
それこそ使うコーヒー豆だったり、マシンだったり・・・話は尽きないことばかりです。
マニアックな話ばっかりになってもアレだけどね(汗)
とりあえずまた、エスプレッソについて思いつくことがあれば、この場で発信していこうかなと思います。よろ。