今回はドリッパーのお話です。
ハンドドリップには欠かせないドリッパー。
いざ買おうと思って売り場に行っても、種類が多過ぎて何がいいのか分からない・・・。
選択肢がありすぎて、逆に買うことに顕著する人もいるのではないでしょうか。
はい、私も経験があります。
今は流石に、どのドリッパーがどういう特徴があるのか分かるようにはなりましたが・・・笑
そういうわけで、結局どのドリッパーがいいのでしょうか?
僕自身の意見を言わせていただくと・・・
「どれを買っても、味が劇的に変化するわけじゃないから、安いやつか好きなデザインのものを買え!」
・・・暴論すぎました。すみません。
これではあんまりなので、どのドリッパーがどういう特徴があるのか説明します。
Contents
国内の主要3メーカーの比較
まず現在国内で入手しやすいと思われるメリタ、カリタ、ハリオの主要三社のドリッパーについてどのような特徴があるのか解説していきます。
メリタ(一つ穴タイプ)
ドイツ生まれのドリッパー。
扇型の形をしており、底に穴が1つ空いています。
実は1つ穴タイプは1番初心者向きのドリッパーです。
穴が一つしかないことにより、そそぐお湯の量が多過ぎてもドリップの抽出スピードは変わりません。
そのため、安定した味のコーヒーになりやすいです。
逆に言えば自由に抽出コントロールするのは難しいのですが、メリタは最も失敗しにくいドリッパーと言えるでしょう。
因みにペーパードリップを発明したのも、このメリタ社だったりします。
1908年に創業者であるメリタ・ベンツ夫人が「もっと手軽においしいコーヒーを淹れて、最愛の夫に飲ませてあげたい」という思いで作ったのが最初のペーパードリップなのだとか。
夫のために作ったものが、今や世界中で当たり前のシステムになってしまったわけですから、愛は偉大ということなんですね。(遠い目)
カリタ(三つ穴タイプ)
国内生まれのドリッパー。名前がメリタと似てますが関係ないそうです。
扇型で、底には3つの穴が空いています。
見た目はメリタとほとんど同じで、穴の数が多いぐらいしか違いはありません。
しかし特徴は正反対です。
穴が多い分、任意に抽出コントロールが出来ますが、その代わりコーヒーの味はお湯を注ぐ技術に左右されます。
間違えてドバッとお湯を注いでしまったら、コーヒーの美味しさを出し切れないまま、すぐに抽出は終わってしまうので注意です。
なので、ドリッパーとしては比較的上級者向けと言えます。
まあ、ペーパードリップそのものが初心者向きの抽出方法なので、初めてでもカリタで十分だとは思いますが・・・
カリタはかつて喫茶店ブームのときに、業務用コーヒーの分野で一躍有名になりました。
つまり日本のコーヒー文化の立役者ともいえる存在です。
若い人からは「古くさい」と思われることもありますが、最近は現代的なデザインの製品も多く開発しています。
また積極的にワールドワイドにビジネスを展開してきているので、個人的に今後が楽しみな企業でもあります。
ハリオ(円錐型タイプ)
こちらも日本生まれのドリッパー。V60という製品名で親しまれています。
このドリッパーは円錐型で、スパイラルリブという特徴的渦巻き状の凸部分が内側にあり、底に大きな穴が空いてます。
ペーパーフィルターも、円錐型タイプのものが必要です。
そして底の穴が大きいので、カリタと同様に抽出コントロールの自由が利きます。
ハリオV60は世界的にも高い評価を得ているドリッパーです。
サードウェーブ系のカフェに行くと、国内海外問わず高い確率で採用されている印象があります。
世界中で活躍しているので、抽出レシピが各国で豊富にあるのも魅力的ですね。
また、デザインも豊富です。
プラスチックや陶器、金属、ガラスなど素材は様々で、色も何種類かあります。
ドリップスタンドといった周辺器具も多彩なので、インテリアに合わせて多様な選択をすることができます。
というわけでメーカー3社の比較でした。
ちなみに値段は、同じ素材なら各社とも同じくらいの値段になります。
例えば1~2人用のプラスチックドリッパーなら400円くらいでしょうか。
材質による違いは?
同じ形状でも、ドリッパーの材質によって、それぞれ異なる特徴があります。
プラスチック
軽くて割れにくいので、安心して使えます。そして何より一番安いです。
もちろん安いからといって、他のドリッパーに劣るというようなことはありません。
プラ製の安っぽさが気にならなければオススメです。
陶器
値段はそこそこ。
陶器なので、どんなインテリアでも調和がとれます。
また保温性が高いので、抽出時に冷めにくいのがメリット。
そのかわり、ドリッパーが暖かくなるには時間がかかるので、あらかじめお湯などで温めておきましょう。
金属
無骨でカッコいいのが、この金属ドリッパー。
割れたり、劣化することがほとんどないので、長く使うことが出来ます。
そして熱伝導が良いため、お湯を注ぐとすぐに熱くなります。
そのため陶器製とは別の理由で、抽出時の温度低下を防ぐことが出来ます。
しかし金属ドリッパーは、あらゆるドリッパーの中で一番高いです。
特に銅製のドリッパーとか、無茶苦茶カッコいいのですが、軽く5000円近くはします。
初心者が気軽に買える値段ではないのですので、そういう意味では「玄人向け」と言えるかもしれません。
結局は好きなのを買えばいい
今回紹介した3社以外にもたくさんの種類のドリッパーが売られています。
もし自分が欲しいと思ってるドリッパーが、この3社の中にないなら・・・?
そしたら迷わず、欲しい方のドリッパーを買いましょう。
冒頭でも言いましたが、ドリッパーの種類で味が大きく変化することはありません。
それなら、自分のライフスタイルに合ったドリッパーを購入するべきなのです。
購入する前に確認すること
ただ、好きなドリッパーを買えといっても、注意するべきことがないわけではありません。
リブの有無
リブとはドリッパーの内側についてる凸部分のことです。
これがあることでコーヒー抽出時に、粉の中の空気の出口を作り出し、空気の逆流を防ぎます。
もしリブがなかったら、粉内の空気は行き場を失い、抽出が不安定なものになります。
ですが、リブって100均のドリッパーでも普通についてるんですよね・・・
なのでリブの有無について、そんなに心配する必要はないでしょう。
しかしたまーに、リブなしのドリッパーも売られてることもあるので、気をつけて下さい。
サイズ
それともうひとつ、ドリッパーのサイズは抽出量に合ったものを使ってください。
大は小を兼ねる・・・なんて言いますが、これに関しては全く当てはまりません。
大きいドリッパーで少量のコーヒーも淹れられないわけではないのですが、注ぐのがかなり難しいです。
さらに高い位置からお湯を注ぐ構図になるので、コーヒー粉がその勢いで踊り、雑味が出やすくなります。
逆もまた然り。小さいドリッパーで多量のコーヒーを淹れるのも駄目です。これはもう物理的にね・・・。
サイズに関しては上記3社のドリッパーはもちろん、他のメーカーでもほとんど表記されています。
なので、購入する前にサイズの確認は忘れないようにしましょう。
ということで、ドリッパーに関しては以上です!
長いこと説明しちゃいましたが、まあアレです。
難しいことは考えなくていい。気軽に好みのドリッパーを買って、楽しくコーヒーを淹れる。それが一番だということです。